接客業は誰にもできる仕事って?冗談でしょ?接客業は「専門職」です。

   

某所で非常に頭にくる記事というかコラムを見つけたので、まず反論しておきたい。(どの記事かは明記しません。個人攻撃が目的ではないので)

接客業は”誰にでもできる”仕事?冗談でしょ。。。

接客業は「誰にでも就くチャンスがある門戸の広い仕事」ではあっても

「誰でもできるヌルい仕事」ではない。そう思っているのだとすれば大間違いだ。

接客業は「”懐の深い”専門職」である

世に言う「専門職」って何やら高度な知識や経験を持ったプロフェッショナル集団をさす用語のように思える。

例えば弁護士さん、会計士さん、お医者さんはその最たる例だろう。この職種は確かに難しい勉強をいくつもこなし試験に合格、「免許・資格」をもった人だけが名乗ることのできるエキスパート職。

確かに資格を持たないとできない仕事のみを「専門職」というのであれば接客業は専門職ではないかもしれない。

しかし、最初に書いた「高度な知識」「豊富な経験」を持った人たちを「専門職」と呼んで良いのであれば、接客業は「専門職」である。絶対に。

勘違いされやすいところとして、「学生さんがする初めてのアルバイト」として接客業の仕事が多く存在する点です。

ここで多くの人が「学生でもできるヌルい仕事」として変換する。ここが間違いだ。

みなさんも経験ないですかね?なにやら不真面目そうな学生さんにヌルい接客をされてイラッとした経験は。

あれは「仕事をしている」とカテゴライズされて良いものではないのです。だって「仕事としてなめている」のだから。おかしな態度をとっている人がたまたま接客業をやっていたからと言って、「接客業はナメた学生でも成り立つヌルい仕事だよね」とは思ってもらいたくない。成り立ってないです。近々その学生はその店から消えます。自発的か、こちらからクビにするかはわからんが。

もちろん真面目に接客を頑張っている学生さんも居ます。むしろ、こっちの真面目に仕事している人のほうが多くいることでしょう。そのうち何割かは、そのまま正社員として接客業界に飛び込んできます。

極めて行く人もいれば、私のように途中で進路を変える人も居ます。何十年と接客をやっている人間はもはや「職人の域」です。この人心の中を読めるエスパーなのか。。。?と思ってしまうくらいこちらのニーズをガッチリ掴むことに長け、素晴らしいサービスだったり、品物を提案してくれる人が居ます。

この人達をなんと表現したら良いでしょう。私は「専門職」と呼ぶべきだと思うのです。

一応私は接客を極めることの一助になればと思い「販売士」と「家電製品アドバイザー」は当時取りました。(写真古くてスミマセン。更新しないと)今は全然違う職種に就いているため直接これが役に立つ場面はありませんが、この業界で頑張った証として誇りに思っています。

これが意外と難しくて、ナメてたら当然のように「不合格」になる資格です。確かになんの資格もなくても店頭に立ててしまうのが接客業の「業」であり、「色んな人がこの仕事にチャレンジできるチャンスが有る」ということでもあるのですが。

浅くやってもそこそこ。深くやったらいくらでも。だから接客業は「悩む」のだ

私が憤りを感じた記事はこう書いてありました。

「接客向いてないならすぐに辞めろなんて嘘だ。安易にそんなこと言うな!誰にだってできる仕事なんだ!」とか

「接客向いてないと言って安易に辞めるやつは他の仕事もどうせ無理だよ」とか。

「私は接客業なので、そんなこと軽々しく書くサイトは接客やってる身として「違う」と思うんですよねー」みたいに言ってますが、接客やっていた人間だからこそ、

「ハァ?」

と思ってしまうわけで。

特にこの「こんなに安易に辞めるやつは他の仕事もどうせ無理だよ」は私が経験したパワハラ上司の文言にそっくりでかなり精神をえぐられます。何もわかってない。

接客に向いていないと悩むくらいの壁にぶつかっているから「悩む」んです。「転職して違う道があるかも。。。」と思うのです。

なぜ目の前のお客さんが急に怒り出すのか。なぜ、接客を変わったあの人の前では怒っていたお客さんがニコニコするのか。

なぜいつまで経っても商品知識がついていかないのか。同じようなお客さんの質問に応えてあげられないんだろう。

なぜ接客に集中できないのか。気がつけばレジ回転と品出しだけ延々とやらされてる。自分は接客をやりたいのに。もう疲れちゃった。どうせなら別のことを新しく始めてみようかな。

一生懸命仕事やっているからこそ悩むんです。考えるんです。対処方法を。別の道が無いかを。

「誰にでもできる仕事が”接客業”なんだから安易に辞めるなよ」は無責任極まりない。断言します。「接客業は専門職であり、人を選ぶ職業」です。

門戸が広い仕事であり、誰にでもこの仕事にチャレンジするチャンスが有る。それが接客業という仕事の広いところであり、難しいところであります。

その中には当然「接客という仕事が向いていない」人もいます。そういった人たちが、別のジャンルで活躍しているのも知っています。

接客論が好きで、マナー講師になった人。人当たりは苦手だったけど、商品陳列は抜群に上手かったお蔭でイチから勉強しマーケターになった人。人当たりは得意だけどすさまじい量の新商品情報の勉強についていけず、旅行業界のガイド兼プランナーになった人。(観光地は新しく覚えることももちろんあるけれど、景観の変化は緩やからしく、「鉄板トーク」はほぼ不変なのです。)

こうして、「接客向いてないな」、と気付きつつ接客で培った経験を活かし出来ること、出来ないことを見極め別の業界で一生懸命働いている人はたくさんいます。

確かに、軽々しく「転職」を口にするのは好ましいことではないのかもしれません。

でも、私は知っています。私も通った道ですから。

一生懸命だからこそ悩むのです。仕事がしたくないから辞めたいわけじゃないんです。せっかく働くなら、自分が活躍できること。少しでも楽しく出来る仕事は無いのだろうか。そう考えるからこそ「向いてないかも」、がスタートライン足り得るのです。

私は否定しません。「接客向いてないかも」と考えることを。「接客辞めたい。別の道があるかも。」とキャリアチェンジと向き合うことを。

接客は誰でもできる?

勘違いも甚だしい。「誰にでも出来ない悩みの深い仕事」だからこそ悩んでいる人は多く居る。苦しんでいる人が多く居るんだ。

参考:接客業からの転職に挑戦するオススメの時期とは?これだけおさえるべき

参考:新卒から接客業で頑張ってきたアナタへ。転職は早く動いた人間が有利。

お世話になったエージェント様

リクルートエージェント

ともあれ最大手のエージェントさん。わたしが一番最初に登録したところで、いろいろと良い意味で転職するにあたって衝撃を受けた会社。ここのインタビュアー※求人紹介の前に、転職希望者の面談をしてくれる人はとにかく褒める。そんなにホメられたらからだがムズムズしちゃいますよ、というぐらいホメてホメてほめまくってくれる。経歴ややりたいことを気分よく話せるし、これでもかとあいづちをうって真摯に聞いてくれるが、ホメられたことを面前のまま受け止めるとかんちがいを引き起こすので注意が必要。開かれた求人からクローズ案件までとにかく求人量がすさまじい。質より量な印象があるので、自分で瞬時に判断するヤル気が必要だが、求人が来すぎて悩むなんてのは贅沢な話かも。

DODAエージェント

転職サイトDODAで転職

全体的に温かい印象の強いエージェントさん。私が利用したときは改修中だったのか専用フォームからではなく、メールでのやりとりが中心だったのを覚えている。送られてくるメールもコピペ対応ではなく、それぞれ案件ごとにコメント貰えたりして、とても親身だったのが印象的。担当になってくれた人は良し悪しをはっきり言ってくれる人で、何事もこざっぱりと直球で言ってくれたのがかえってありがたかった。販売サービス系へ入るための転職にも強みを持っていて、これは「接客業経験者の扱いにも慣れている」ことの証明でもある。

キャリコネ転職サービス

ここは事前面談がなく、キャリアシートのみの登録でサクッと始まる中小規模のサービス。「キャリコネ」という会社OBが年収から待遇から生々しく語るサイトを利用したひとは結構多いのではないか。そこが運営するエージェントサービス。こざっぱりしたホームページからは想像も出来ない熱い、熱意を持った担当さんが付いてくれたので良い意味で意表を付かれたエージェントさん。私の経歴にたまたま合ったのもあるのだろうが、非公開求人を積極的に紹介してくれた印象が強く残っている。紹介してくれる案件もウィットに富んだものが多く、他のエージェントさんとの差を付けるために様々な施策を組んでいて、熱意がこちらまで伝わってくる。実際に案件紹介をしてくれるプロジェクト担当さんは人によってトーンが違い、たまに妙にサバサバしてる人がいたりもするが、それを補ってあまりある採用活動のサポート力があった。

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