なぜ転職活動に半年以上もかかってしまったか?たったひとつの大きな間違い

      2016/12/12

さぁ転職だ。さて、転職活動とは?

TOPの自分語りでも書いたが、私は大学卒業時にいわゆる「就職活動」というものをほとんど行わなかった。正確には「行えなかった」のだ。毎日仕事に授業出席、その合間にレポート、卒論・・・まぁ振り返れば良くこんな滅茶苦茶なスケジュールで大学を4年間でしっかり卒業したものだ・・・奇跡だな。

転職活動ってどうやるんだ・・・?全く経験の無かった私はとりあえず転職サイトに登録した。

一箇所だけの登録だと偏る、というのはなんとなく理解出来ていたので、この3箇所を登録した。

・リクナビNEXT
・マイナビ転職
・DODA転職

3箇所とも共通で、「履歴書」のかわりになるキャリアシートと呼ばれるものを入力し、それまでの仕事を振り返り実績を整頓して示す「職務経歴書」のアップロードが要求された。

履歴書はなんとなく理解できたんだけど、「職務経歴書」というものがイマイチ理解できなかった。今思えばこれは当たり前で、「職務経歴」として書けるものはあまり多くなかったのだ。「自分で実績を出す」事をやって来なかった、いや、やってこれる土壌の中で仕事をしてこなかった。とりあえずそれっぽいものを作ってアップロードすると、早速転職活動をスタートさせた。全ては「接客辞めたい」の一心だった。

約50社ほどにエントリーするも、ことごとく書類選考で落ちる

これも今思えば当たり前だけど、当時は序盤の書類審査で落ちまくり恥ずかしさと失望でいっぱいだった。どれだけ求人を検索しても、

「営業経験者優遇」とか、

「法人に対して何かを提案した経験」

を要求された。自分がこれまで頑張ってきた「販売」や「接客業の知識」はまるで求められなかったし、役に立たなかった。「販売職の経験」が生きるのはやはり同じ接客の世界だった。同業他社や、衣料品の販売、靴の流通販売とか、スーパーマーケットの求人しか見込めなかった。これでは転職する意味が無い。私が求めたのは「接客業からの転職」なのだ。

やっと面接にこぎつけても、これまた1次選考で落ちまくる。悲しき「自称」販売エリート

最も屈辱を味わったのは念願の書類選考が通過した後の事だった。そこそこ規模の大きな企業だと、1次面接は1対他(面接官1人に対して求職者数名)で有ることが多い。

この1対他の面接はとにかく毎回悲しいくらい今の私が置かれている現実というものを突きつけてくる。

面接官:「はい、わかりました。では次の◎◎さんですが・・・」

熱く語ったこれまでの経験は全く持って面接官の心を掴むことはできなかった。25歳前後の「第二新卒」と呼ばれる社会人経験2~3年程度の若手が語る「営業経験」に勝てないのだ。今まで「部下」や「後輩」として接してきた世代にことごとくアピールの濃さで負ける。これまで熱心にやってきた長時間労働や、磨いてきた接客トーク術、圧倒的な物量の品出しを徹夜でこなしてきた忍耐、金銭ミスの無い高速レジ術はなんだったのだ・・・。

彼ら若い求職者が語る「社会人経験」はとても充実していた。

「◎◎商社のプロジェクトに同行して◎◎を1年間進めて◎◎万円の利益を出しました!」

「15社ほど掛け持ちのルート営業を2年間やってきました。通算で◎◎万円のサービス契約実績、当時新サービスを導入するプレゼンに買った経験もあります!」

「飛び込み営業をやってました。初めは月100件回って1件も取れませんでしたが、◎◎を工夫したところ、2年目には月間◎◎件成約が上がるようになりました。これらには◎◎の~」

彼らに共通しているのは、「与えられた目標」に対して「プラン」があって、プランへの「アプローチ」の研究があって、その結果としての「行動した実績」があること。最後の「結果」に対しては必ずしも「成功」である必要はない。なぜなら、そこまでの「プラン」がしっかりとあるのであれば、例え失敗であってもそれは「積み重ね」となって、次回成功する確率を上げる「経験」になるからだ。

接客業からの転職6

自分たちの仕事は「明日誰かが交代しても出来るもの」

とにかくこれには衝撃を受けた。それまで自分が「販売エリート」として目指していたものは全て「短期的な成果」に対するアプローチでしかない。そこには「今週」や「今月」程度の数字に対する研究はあっても「来年はこうなる」とか、1年じっくり取り組んだ結果これだけ大きな成果が出た、大きなデータが取れた、みたいな積み重ねは無かった。毎日毎日ただひたすら目の前でお客さんが買った、買わない、今日は売れた。昨日は売れなかった。明日は・・・と続くばかりで、全く仕事に対して効率を上げるべく「知見の蓄積」はそこにはない。商品の展開を変えても、お客さんはそこに「来る」のだ。自分で呼び込んだ訳でも営業を掛けたわけでもない。

以前同僚がぼそっと言っていた事を思い出していた。駅前の貸し駐輪場で一生懸命自転車の整理整頓をしているおじさんを見て言っていたもの。その時働いていたのはおそらく定年退職後の再雇用の方だったと思う。

「あの仕事は大変なだけで、何か面白い事あるのかなぁ?結果がない仕事ってつまらなさそうだよな」と。

その時は私も一緒になって同意していたのだが、ハッとした。これはもしかして、自分が今まで誇りを持ってやってきたことって、「定年を迎えたオジサンが余暇でやってる仕事と同じ事」であって、自分たちが「結果」だと信じて疑っていなかったそれは「昨日今日入ってきた誰にでもできるただの労働の繰り返し」だったのではないかと。これは決して貸し駐輪場の仕事を貶めるものでは決して無い。ただただ、自分たちが「販売エリートだ」と誇りにしてきたことは、「明日誰かが交代しても出来る」「ただの作業」だったと気づいてしまったのだ。

接客業からの転職11

それまで精神的にも、肉体的にもギリギリのところでやっていた私は、そこでポキリとモチベーションが折れるのを感じた。自分がやりがいとしていたものは、自分だけが出来るものだと思っていた仕事は、仕事ではない。ベルトコンベアのように運ばれてくる買い物客からお金をもらうだけの「集金マシン」だったのだ。私が今この場で職場をバックレても、金に飢えた学生バイトを1人捕まえてくればまた回り出す些細な程度のもの。長時間労働に耐えたり、理不尽なクレームのサンドバックになり続けるだけの「価値」はない。

自分の中の「そうでありたい自分」と「現実」の差が、転職活動を長引かせた

自分の職務経験は転職活動において大きなアドバンテージを得るものではない。そして自分が「自由に仕事を選べる立場」にはない。そう気がつく頃には、すでに転職活動を始めて4ヶ月が経過していた。決して多いとは言えない休日(当時月7日程度しか休みがなかった)の殆どを転職活動に費やしていた為、休みと呼べるものは全く無くなっていた。現職の仕事のモチベーションも徐々に低下していて、「情熱」だけでこなしてきた過酷な労働環境に耐えるのも限界に来ていた。

ボロボロになっていった私は、ついに最後のプライドをかなぐり捨てて、とある人物に相談をすることにした。

先に転職した元同僚に今の自分を正直に相談した

この元同僚は、新卒入社の研修で仲良くなった同期で、既に2年半ほど前に販売職に見切りを付けて辞めていた。当時はどちらが先に責任者の職に付くか競ったほどのモチベーションの高い奴で、互いの持つ独自の販売理論をツマミに酒を飲み交わす仲であった。それだけに、急に辞めると言い出した時にはショックであった。最後の出勤日に私が「いずれは店長になって、お前を後悔させてやるからな!」と大見得を切った事もあって、今その自分が転職活動をしている事が恥ずかしくもあったし、後ろめたくもあったのだ。それでも、転職して落ち着き、結婚した彼女と住む為のマンションも買ったとの噂もあった彼を、恥を忍んで頼ることにした。

彼は非常に驚いていたが、私を笑ったりせず、むしろこう言って応援してくれた。

「やっとお前も気がついたか。販売も悪く無いけど、30代になったら考えないとな。」

私は転職が上手くいった彼も「同じ壁」に当たっていたのだと気づき、少し安心してしまった。彼もまた、販売職としての先の無さに絶望し、接客業からの転職という結論に至ったのだと。そして彼も、自分が自信を持っていた「スキル」は全く役に立たなかった事に対し壁にぶつかったようだが、それを打破する方法は私が今まで知り得なかった方法だった。

次回:

お世話になったエージェント様

リクルートエージェント

ともあれ最大手のエージェントさん。わたしが一番最初に登録したところで、いろいろと良い意味で転職するにあたって衝撃を受けた会社。ここのインタビュアー※求人紹介の前に、転職希望者の面談をしてくれる人はとにかく褒める。そんなにホメられたらからだがムズムズしちゃいますよ、というぐらいホメてホメてほめまくってくれる。経歴ややりたいことを気分よく話せるし、これでもかとあいづちをうって真摯に聞いてくれるが、ホメられたことを面前のまま受け止めるとかんちがいを引き起こすので注意が必要。開かれた求人からクローズ案件までとにかく求人量がすさまじい。質より量な印象があるので、自分で瞬時に判断するヤル気が必要だが、求人が来すぎて悩むなんてのは贅沢な話かも。

DODAエージェント

転職サイトDODAで転職

全体的に温かい印象の強いエージェントさん。私が利用したときは改修中だったのか専用フォームからではなく、メールでのやりとりが中心だったのを覚えている。送られてくるメールもコピペ対応ではなく、それぞれ案件ごとにコメント貰えたりして、とても親身だったのが印象的。担当になってくれた人は良し悪しをはっきり言ってくれる人で、何事もこざっぱりと直球で言ってくれたのがかえってありがたかった。販売サービス系へ入るための転職にも強みを持っていて、これは「接客業経験者の扱いにも慣れている」ことの証明でもある。

キャリコネ転職サービス

ここは事前面談がなく、キャリアシートのみの登録でサクッと始まる中小規模のサービス。「キャリコネ」という会社OBが年収から待遇から生々しく語るサイトを利用したひとは結構多いのではないか。そこが運営するエージェントサービス。こざっぱりしたホームページからは想像も出来ない熱い、熱意を持った担当さんが付いてくれたので良い意味で意表を付かれたエージェントさん。私の経歴にたまたま合ったのもあるのだろうが、非公開求人を積極的に紹介してくれた印象が強く残っている。紹介してくれる案件もウィットに富んだものが多く、他のエージェントさんとの差を付けるために様々な施策を組んでいて、熱意がこちらまで伝わってくる。実際に案件紹介をしてくれるプロジェクト担当さんは人によってトーンが違い、たまに妙にサバサバしてる人がいたりもするが、それを補ってあまりある採用活動のサポート力があった。

 - 接客業からの転職 ,