転職活動は、「対話」だ。接客業をやっていても気がつかない盲点。

      2016/12/12

前回:接客業から転職するには、強力なサポートを得るべき

最初に10社ほどの求人をもらった後、数社の面接を受けるまでわずか2週間。今までがウソのように面接が決まる。

それに加え、毎日数社分の求人情報がメールと専用ページから流れてくる。大体12時間以内には申し込みの可否を返答するのだが、そのうち欲が出てきて他のエージェントにも興味が出始めた。

1社ではなくスケジューリング出来る範囲で複数エージェントを付けた

基本的に同じエージェント会社の中で、担当を変えてもらうのは難しい。かなり綿密なインタビューがあったことから、引継がほぼ不可能なんだと思う。担当を変えればそれまでのコミュニケーションや共有している部分が薄くなってしまう訳だし。

そこで、検討していた別のエージェントにも登録してみることにした。2つ目はDODAエージェントに申し込んだ。ここでも情報登録を行うとすぐに返事が来た。ただしここは無理に直接面談というわけでは無いようで、始めは「電話による面談」を提案された。30分~1時間ほど電話でインタビューを行い、そこから求人紹介の流れになるようだ。

ただ、私個人としては、「直接会う」事を強くおすすめする。2番めに登録したDODAのエージェントさんとも直接会って話した。自分を知ってもらっている「味方」は1人でも多いほうが良い。

接客業からの転職10

対面のコミュニケーションの濃さを蔑ろにしてはいけない

接客業をやっていればわかることだと思うが、私は「対面」以上に情報を濃く共有できる手段はないと思っている。クレーム処理についても、10往復電話応対するよりも、1回直接会ったほうが解決が早かったりするものだ。商品の説明だって、電話問い合わせよりも対面でアレコレ直接話すほうが魅力が伝わる。

転職活動とは言わば「いかに自分を高く売るか」という一種のビジネスだと思う。

接客業から逃げたい、新しい自分を見つけたいというのは大前提であるが、それでも少しでも良い給料が出るほうが良いし、お休みだって1日でも多くもらえる所が良い。

資格取得の支援をしてくれる会社だって世の中には存在するのだ(これは接客業から離れた時に一番衝撃を受けた部分。個人の技能を向上させることに手当が出るって、世間では割りと珍しくないこと。)

エージェントさんはこちらが現業を行いながら(今の仕事を続けながら)転職活動をしていることを伝えると、気を使って電話での面談を持ちかけてくれる。

向こうもオフィスを空ける必要が無いので一石二鳥なのだろうが、ここは必ず時間を作ってエージェントさんと直接会って話すべきだ。

ここでは名を伏せるが、頑なに対面を提案せず電話面談を行おうとするエージェントさんが居た。

「ん?」と思ったのだが、そのまま電話面談を受けることに。その後もらった求人が自分の希望とズレたものばかりだったことは言うまでもない。

圧倒的コミュニケーション不足。やはり電話面談じゃ自分の思っていることを伝えきれないし、向こうも汲み取りきれない、そう強く思った。

初回にエージェントさんと必ず対話すべき理由

  • コミュニケーション不足によるミスマッチをなるべく避ける
  • 「転職」というデリケートな話題を共有できる数少ない相手である
  • モチベーションの維持

このなかでも特に3行目のモチベーション維持が大切だ。

転職活動は集中力の勝負。エージェントが無料で使えるからといって、こちらが手を抜くことは絶対にしてはならない。

インタビュー時の服装は自由で結構ですよ、と事前に言ってくれるが必ずスーツで行くべし。

行ったらスーツについても相談すること。大人になってなぜ身なりについて・・・と思う人もいるだろうが、意外とスーツ姿がだらしない奴は多い。電車乗っててスーツをみっともない着方してる奴を良く見かけると思うが、あれは多分本人は気づいてなくて「わざと」ではないと思う。自分では「身なり」は意外と気がつけない部分なので、聞いてみよう。お世辞を使われつつも、アドバイスを貰えるはずだ。

そのアドバイスが本番の面接の場で生きることもある。また当然の事だが、「お客様」気分でエージェントさんと接するのは以ての外だ。

次の項で改めて話すが、「エージェントさんのダメ押し」というのが面接の後に存在する。エージェントさんも人の子だ。こちらを「感じ悪いなぁ」と思えば、面接先の企業へのプッシュが悪くなってもおかしくない。「感じ悪い」人間を上手に推薦できる奴がこの世の中のどこにいるのだろうか。味方はとにかく多いほうが良い。

接客業からの転職12

エージェントさんは「ダメ押し」してくれる

エージェントさん経由で求人申し込みしたら必ず「助け舟」を出してくれる。当日面接が終わると、当日中に担当エージェントへその日の面接で聞かれたこと、答えた内容、感触等をメールで送信する。このメール送信はパソコンでなくても、スマホのメールからで全く問題ない。フィードバックもその後すぐもらえるし、何より「メールの内容を踏まえて面接先企業へもフィードバックしている」所がすごいメリットだ。

就活サイトからの面接だとこうはいかない。

面接その場での一発勝負になるが、エージェントさんを介していると「言いそびれたこと、アピールしそびれたことはありますか?」みたいな「チャンス」をもらえることがある。これはどうやら相手先企業が「興味はあるが、このままだとちと弱い」と思っている時だそうで、ここで巻き返しの可能性がある。私も興味の大きな企業の面接で失敗したな、と思った時にこの後出しアピールで次の選考に進めたことがある。(結局次で落ちてしまったが)それでも不完全燃焼で落選するより、よっぽどスッキリする。

後腐れ無く、次の選考先を探しに行けてすごく心が楽になるのだ。

接客業からの転職13

これを繰り返すとびっくりするほどあっさり内定

が取れた。半年書類落ちと1次落ちでくすぶっていた自分があっさり2ヶ月で内定取れたのはいっそ清々しかった。

ここまでやってきたことをまとめると

転職サイトに登録して興味のある大企業だけ応募しまくる

書類でハネられまくり1次で落ちまくり。(応募要項を満たしてないのにトッカンした為)

先に転職した元同僚から「エージェント」なるサービスを知る
(ここまでで6ヶ月強)


エージェントに登録して面談する。

エージェント紹介求人に申し込みつつ、別のエージェントも使ってみる

適時フィードバックをもらいながら、自分の興味は崩さず選考

無事内定
(エージェント登録から2ヶ月ちょっと)

自分の場合エージェントに5社ほど登録したが、最終的には2社に絞った。単純にスケジュール調整が大変になってしまった(あの時のエージェントさんごめんなさい。悪いのはこちらのスケジューリング力不足なのです)のと、全くこちらの都合を無視したスケジュール連発のよくわからん担当が付いたので切った為だ。あの会社は許さん。

もちろん合う合わないがあるので、最終的には1社に専属で付いてもらって落ち着けて頑張るも良し、4~5社同時進行で1日3面接こなして妥協ナシのスパルタ転職活動をしても良い。なんにせよ、複数のエージェントさんに登録し、二人三脚で転職活動を進める事をオススメする。

転職なんて1人でやるもんじゃない(接客業ならなおさら)

転職してやる!と息巻いてから実際に転職先が見つかるまで、半年を楽に超える歳月が経っていた。

今を思えば、自己分析もろくに出来ないまま転職サイトにかじりつくより、さっさとエージェントさんを頼れば良かった。

最初からエージェントを使っていれば、半年は早く接客業からオサラバ出来ていたに違いない。そのタイムロスだけが少々後悔の残る所だ。他の業界で積む6ヶ月の経験と、接客業で学生バイトと同じレベルで使われるままの6ヶ月。雲泥の差だ。

とにかく接客、販売にしか就いていない人間は潰しがきかない。

転職活動中も

「一から頑張っていく気概はありますか?」

と数多くの企業から尋ねられた。転職先で後で上司からから聞いたことだが、私を営業職で採用した理由は「一緒に働ける人柄かどうか」「接客業経験がある奴はクレーム耐性が強く、しょーもない理由では辞めなさそうだったから」というものだった。

あれだけ練って持っていった職務経歴書は「接客業だけの職務経歴書は内容が薄いからほとんど見ていない」と言われた。

人事の会議では私の採用に多少揉めたようだが、結局私の迫真さと熱意を買ってもらった形のようだ。20代も半ばでなんと情けない、と思ったが、それは営業職という新しいフィールドで自信をつけていけば良い、とさらにモチベーションが上がるきっかけにもなった。結局最後は「対話」がものを言う形になった。

大小の差はあれど、恥をかくことにはなると思うが、改めて言う。

辞めたいと思った時が、辞めどきだ。

辞めたい、と思いながらこころが病むくらいなら、さっさと辞めるべきである。これが過去の自分に、そして今接客業に疑問を感じ始めている人に届けば良いと切に願う。

接客業からの転職14

お世話になったエージェント様

リクルートエージェント

ともあれ最大手のエージェントさん。わたしが一番最初に登録したところで、いろいろと良い意味で転職するにあたって衝撃を受けた会社。ここのインタビュアー※求人紹介の前に、転職希望者の面談をしてくれる人はとにかく褒める。そんなにホメられたらからだがムズムズしちゃいますよ、というぐらいホメてホメてほめまくってくれる。経歴ややりたいことを気分よく話せるし、これでもかとあいづちをうって真摯に聞いてくれるが、ホメられたことを面前のまま受け止めるとかんちがいを引き起こすので注意が必要。開かれた求人からクローズ案件までとにかく求人量がすさまじい。質より量な印象があるので、自分で瞬時に判断するヤル気が必要だが、求人が来すぎて悩むなんてのは贅沢な話かも。

DODAエージェント

転職サイトDODAで転職

全体的に温かい印象の強いエージェントさん。私が利用したときは改修中だったのか専用フォームからではなく、メールでのやりとりが中心だったのを覚えている。送られてくるメールもコピペ対応ではなく、それぞれ案件ごとにコメント貰えたりして、とても親身だったのが印象的。担当になってくれた人は良し悪しをはっきり言ってくれる人で、何事もこざっぱりと直球で言ってくれたのがかえってありがたかった。販売サービス系へ入るための転職にも強みを持っていて、これは「接客業経験者の扱いにも慣れている」ことの証明でもある。

キャリコネ転職サービス

ここは事前面談がなく、キャリアシートのみの登録でサクッと始まる中小規模のサービス。「キャリコネ」という会社OBが年収から待遇から生々しく語るサイトを利用したひとは結構多いのではないか。そこが運営するエージェントサービス。こざっぱりしたホームページからは想像も出来ない熱い、熱意を持った担当さんが付いてくれたので良い意味で意表を付かれたエージェントさん。私の経歴にたまたま合ったのもあるのだろうが、非公開求人を積極的に紹介してくれた印象が強く残っている。紹介してくれる案件もウィットに富んだものが多く、他のエージェントさんとの差を付けるために様々な施策を組んでいて、熱意がこちらまで伝わってくる。実際に案件紹介をしてくれるプロジェクト担当さんは人によってトーンが違い、たまに妙にサバサバしてる人がいたりもするが、それを補ってあまりある採用活動のサポート力があった。

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