接客業経験者の転職市場での「強み」は?何を武器に転職を戦うか
2018/10/17
武器は必ずある。冷静に整理しよう。
接客業の経験というものは、無理にこじつけることをしてはいけない。
これは我々の持つ接客業の経験そのものがこじつけが必要なくらい低いという意味ではない。その得てきた経験を「必要以上に大きく見せようとする努力」がムダであるということ。
そもそも接客業は「浅い」とか「バイトでも出来る仕事」とか外野に言われるもんだから、自分を必要以上に軽視しすぎる傾向がある。
それがコンプレックスを生み、転職活動において必要以上に話を「盛って」しまう。これこそが接客業出身者が転職で失敗する最大の原因。
私が転職市場で最初の3ヶ月そのウソ解釈を語り続けて鼻で笑われ失敗した張本人だから断言する。
自己評価なんてものは自分に都合よく解釈してしまうもの。深く考えるのはムダ。
「いや~今日の面接は上手く話せたなぁ」
なんて思っていたのは自分だけで、面接官は「時間をムダにしたなぁ」なんてウラでため息ついていたんだろうな。
毎日の業務は「商品の陳列」「レジ操作」「来店客に商品提案」の3つがメイン。
「シフト作成」を無理やり工程管理の経験に?
「客のニーズを聞いて商品を提案する」を営業経験に?
「販売ノルマ」の達成が何かを成し遂げた経験に?
なるわけがない。「仕事」はそんな簡単に他から転用できるものではない。
という話だ。マトモな会社の人事ならこんなこじつけの経験しか語れないやつ絶対に採らない。自分のやってきたことを過大表現するんじゃない!
2017年3月13日追記
面接官の役割を今の会社で実際に経験して「他人のウソを見抜くのはそんなに難しくない」と思いました。なんかソワソワしたりたどたどしくなるんだよね。話の整合性が取れなくなってきたり。変に盛るより正直に話したほうが一番だと思います。「その人の経験」が立派なのはもちろんプラスなんだけど、それ以上に「こんなこと出来るようになりたいんです。この会社だったらそれが叶うし、今自分が持っているスキルでこの程度なら貢献もできる。だからこの会社に混ぜてくれ!」って言われる方が面接する側としてはグッと来る。思わず一緒に仕事したくなる。
2017年3月2日執筆分参考:圧迫面接の原因は面接を受けている自分にあるかも。面接官を経験して思うこと
接客業経験の「強み」は以下の2つ
悲観するな。武器は確かに多くない。それでも、人事担当者にクリーンヒットするトークは必ずある。
たくさん失敗して、笑われて、そのなかでほんとうの意味で感触のよかった「接客業のつよみ」は以下の2つ。
人の顔色を見てその場にあった話、話し方ができること
人の顔色を伺うことは決して悪いことじゃない。人に話し方、雰囲気などの空気感を「合わせられる」ことを仕事にしてきたことは大きな武器だ。
1日の接客人数を平日土日をならして30人と仮定すると、8年接客をやった自分に例えるならざっくり見積もって約6万人を接客してきたことになる。当然いろいろなシチュエーションを経験しているはず。
・色んな人に評価されているオススメが欲しい人
・用事を急いでいて、とにかく使えれば良い人
・クレームを言いに来た人
・買う気はなく、ただおしゃべりを楽しみたい人
みたいな様々な「状況」パターンがあるだろうし、
・穏やかでこちらにも気を使ってくれる人
・せっかちな人
・短気で怒りっぽい人
・機械に詳しくないご年配
のような「対人属性」のパターンもある。
これらの接客シチュエーションがぴったり重なる事はほとんど無かったように思う。毎日毎日違う「ありがとう」があったし、
毎日毎日違う「クレーム」があった。常連さんでさえ、来るたびに期待していることは違っていただろう。
つまりこれが1つめの「強み」なのだ。これだけ多くの属性と会話している仕事は接客業をおいて他にない。
・ニーズを聞いているうちにお客さんの購買意欲が高い事に気づき、じっくり紹介することで単価の高い商品を納得して買ってもらう。
・買って帰った商品に不良が出ていて怒っているお客さんにニコニコして話したり、ヘラヘラして話すと余計な爆発を生み、クレームが長引く。
・せっかちな人にじっくり相対すると相手をイライラさせ、時にはクレームに発展する。
こんな状況は、接客をやっている人間なら至極当たり前のことなのだが、これが、世間にとっては当たり前ではない場合がある。「そんなの誰が見てもわかるだろ」という状況も、他の業種の人だと「え、今のそうだったの?」という常人では気づくことの出来ない感情の機微を見抜く経験と嗅覚を我々は備えている。
ほんの少しの相手の表情を、態度を、見抜く力が接客業経験者にはある。
これは、真面目に接客に取り組んだ人間の強みだ。他の環境でこの知見を積もうと思うと、数十年かかるだろう。ルート営業や社内の工程管理のような毎回同じ人間を相手にする職業であればあるほど、人の感情の些細な変化に気づくことのできる人間は強い。
きあい
なんじゃそりゃ、とひっくり返った人もいるのだろうがコレが意外に効く。
この「きあい」は面接担当が高い役職を持っていればいるほど、効く。ただし乱発すると「イタイ」人に思われるので、面接1社に対して「1回」が限度だろう。
40代~50代の「部長」や「○○担当課長」のような、役員一歩手前の人が面接担当だと存外刺さる。
あ、つまり20代中盤~30代前半の人だけが使えるテクニックですな。
40代になってから「きあい」とか言い出すといよいよ危ないのでその世代の方は使わないでくださいコレ。
話を戻すと、40代~50代の人間は我々若い世代に「根性がない」と深層心理では思っている。
なんとも精神論じみた話だが、しょせん面接なぞ人対人のコミュニケーションだ。相手の感情をどう「良い方向に」持っていくかだ。
会社という組織はマジメなカタブツだけいれば回るようなものではない。様々な考えのひとが必要なのだ。どんな理由でもいい「コイツと働きたい」「コイツと働いたら面白そうだ」と思わせれば勝ちだ。
当然会社が変われば勉強することも多いだろうが、それこそ「きあい」でカバーすればいくらでも仕事はこなせる。弁護士や医者のような特殊性の高い資格の必要な仕事でない限り、謙虚にやればそこそこ複雑でやりがいのある仕事も少しずつこなせるようになっていくものだ。時間が人を育てるのではない。環境が人を育てるんだ。
・理不尽なクレームをきあいで乗りきった話(ある程度のテクニックも披露できると尚良し)
・上司の難しいお題をきあいで乗りきった話
こんな風に日常とからめて話す使い方が良い。ここで間違えてはいけないのは
・残業3ケタ時間をきあいで乗りきった自慢
・25連勤をきあいで乗りきった自慢
などを話さないこと。必要なのは「きあい」でものごとがどう前に進んだかである。ただの苦労話は面接の場では引かれるかアホだと思われて終わりなので、転職後に開かれるであろう歓迎会に使う酒のツマミ用に取っておこう。お酒が入らないと労基違反話はウケない。
接客業からの転職は飾らず、素直に。
全ては謙虚に、だ。無理に自分の経験をこじつけると非常にみっともない結果になる。
あまり個人の強みを味付けすると新卒並のとんちんかんトークになりかねないので、まずは「自分には何もない」ぐらいの感覚から始めよう。
経験の薄さがコンプレックスになっている人がとても多いのだが、そもそも「なにか持ってる」人のほうが少ない。
まずは「武器が少ない」ことを自覚する。そして自分に正直であること。話は盛っても良いがウソは付くな、が鉄則。
転職はスーパーマンだけが行える必殺技ではない。面接官は「一緒に働いてくれる人」を探しているだけなんだ。
たとえ転職の武器として使えるトークが「少ない」のであったとしても、「まったくない」というわけではない。
悲観しない。多くの顔色の悪かった接客業出身者が別業種に移って活躍している。アナタにだって「武器」は必ずある。
想像もできない何か(転職のリスク)を怖がって現状に耐えるだけの毎日は本当にムダ。そこに「きあい」を入れる必要性は全く感じない。
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参考:スキルが薄い人の為の救世主!転職エージェントってなに?メリットとデメリットの比較
参考:販売からの転職は本当に厳しい?販売から実際に転職した私の意見まとめ
お世話になったエージェント様
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