転職エージェントの「非公開求人」ってなに?
2017/02/15
転職エージェントというサービスを知っていれば、「公開求人」と「非公開求人」の2種類があることは理解しているはずだ。
なぜ転職エージェントには「非公開」にしなければいけない求人があるのか。
いろんな人が受けてれくれるほうが企業だって可能性が広がっていいじゃないか。と、そうとも考えられるが、「採用」とひとくちにとってもさまざまなケースが存在するのだ。
Contents
エージェント側が「非公開」にしている理由(オモテ)
理由はいくつかあるが、表向きの理由としては
・応募者の殺到、もしくは直接申込みを防ぐ
これが一番大きい。特に企業側が採用活動に時間を大きく取ることができず、あまりに応募者が殺到すると困るというケースだ。
採用活動に「履歴書」はツキモノだけど、アノ書類も立派な個人情報。集めたからにはそれなりのセキュリティを持たせて管理しなければならない。
個人情報の取り扱いはかなり費用と手間がかかる。もちろん面接だって受けてる側は1回行くだけだけど、その1次面接を企業側は数回、規模によっては数十回と行わなければならない。とにかくカネと時間が掛かるのだ。
「1人だけを1ヶ月以内に採りたい」
なんて短期間少人数の採用だと、企業側は自前で面接会を開くより、エージェントを通して4~5人紹介してもらってその中から選ぶほうが安上がりで、時間も短縮できる。
また、数年中途採用をしていなかった企業が、久しぶりに採用活動を行うと、それからしばらくは採用が終わっているのに企業に直接
「次の中途採用はいつですか?」
「私を取ってくれませんか!?」
なんて勇敢とバカをはきちがえた輩からの問い合わせが殺到するらしい。人気企業ならなおさらのこと。
非公開求人を紹介されたら、その企業のホームページを見てみると良い。たいていの企業は採用ページに
「只今、採用活動は行っておりません」
と出ているはず。
エージェント側が「非公開」にしている理由(ウラ)
こちらはかなり企業側の切実かつ戦略的な理由がからんでくる。
社内極秘プロジェクトのメンバーを集めたい
例えば、とある企業が競合企業に差をつけるために重要な「プロジェクト」を立ち上げたとする。
ただし、どうしても社内の知識だけでは補えない不安部分があって、できれば接客等の対面サービス業を経験している人間のナマの知見が欲しい。
そんなとき、公開求人で、
「プロジェクト立ち上げメンバー募集!」
と募ったらどうなるだろう。
そこには「サービス業経験者歓迎!○○の経験者歓迎!」みたいなことが書いてあって、それを見た競合企業が何を思い考えるか、ということ。
競合企業に差をつけるためのプロジェクト、当然極秘にしたいはずだが、そんなことを公開求人で募ったらイッパツでバレてしまう。極秘に進めている意味がなくなってしまうだろう。
でもどうしても外から新鮮な考えを持った戦力を集めたい。そんな時、企業は「非公開求人」でこっそり採用活動を行うのだ。
管理職ポストを埋める人員が欲しい
例えば、とある企業の本部。ここで本社業務、つまり要石だった方が居てカリスマ性も持っていた。
しかしこの方がご家族の都合で会社を辞めることになった。
かなり慕われた方であり、退職することが大々的にバレてしまうと、後を追って退職する人が出てしまう可能性がある。
さて、このポストの後任業務は特殊なので、できれば社内よりも外から経験のある人を雇いたい。
この求人をオモテに出したら社内の人間はどう思うだろうか。
「○○業務の引継ぎ案件。引継ぎは2ヶ月。」
なんて書いたら、絶対社内の人間は
「え、○○さん辞めちゃうの…?」
とあっという間に特定できちゃって不安になるだろうし、社内だけでなく取引先などの外部にも影響が出て、業務そのものに支障が出てしまうかもしれない。
確かに公開求人の方が人を呼べるかもしれないが、社内の特殊ポジションの補充求人はなかなかにデリケートなのだ。
掘り出し物求人こそ「非公開」になる
様々な理由で「非公開」となって密かに人を探している求人案件たち。
これらは別にアヤシイとかブラック業務とかそういった類のものではなく、そのポジションをおおっぴらに募集できない「背景」があるのだ。
他にも様々な非公開求人を見てきたが、なかなか面白い内容が多かったし、何より「え、そんな仕事が求人で出てるの?」みたいな意外な発見も多かった。
これらは一般的な転職サイトには無いシステムだ。確かに非公開求人を扱っているサイトもあるのだろうが、エージェントに比べると圧倒的にお目にかかる機会は少ない。
自分を必要としてくれる企業は、目に見えないだけでたくさんあるのだ。「非公開」は一部の人だけが使える特殊パスポートではない。
「非公開求人なんて一部の才能を持った人のためのものでしょ?」
なんて思わずに、まずは飛び込んでみよう。
アナタを必要としてくれる企業は、目に見えない求人から出てくるかもしれない。
参考:転職エージェントは接客業経験者の強い味方。メリットとデメリットの比較
お世話になったエージェント様
リクルートエージェント
ともあれ最大手のエージェントさん。わたしが一番最初に登録したところで、いろいろと良い意味で転職するにあたって衝撃を受けた会社。ここのインタビュアー※求人紹介の前に、転職希望者の面談をしてくれる人はとにかく褒める。そんなにホメられたらからだがムズムズしちゃいますよ、というぐらいホメてホメてほめまくってくれる。経歴ややりたいことを気分よく話せるし、これでもかとあいづちをうって真摯に聞いてくれるが、ホメられたことを面前のまま受け止めるとかんちがいを引き起こすので注意が必要。開かれた求人からクローズ案件までとにかく求人量がすさまじい。質より量な印象があるので、自分で瞬時に判断するヤル気が必要だが、求人が来すぎて悩むなんてのは贅沢な話かも。
DODAエージェント
全体的に温かい印象の強いエージェントさん。私が利用したときは改修中だったのか専用フォームからではなく、メールでのやりとりが中心だったのを覚えている。送られてくるメールもコピペ対応ではなく、それぞれ案件ごとにコメント貰えたりして、とても親身だったのが印象的。担当になってくれた人は良し悪しをはっきり言ってくれる人で、何事もこざっぱりと直球で言ってくれたのがかえってありがたかった。販売サービス系へ入るための転職にも強みを持っていて、これは「接客業経験者の扱いにも慣れている」ことの証明でもある。
キャリコネ転職サービス
ここは事前面談がなく、キャリアシートのみの登録でサクッと始まる中小規模のサービス。「キャリコネ」という会社OBが年収から待遇から生々しく語るサイトを利用したひとは結構多いのではないか。そこが運営するエージェントサービス。こざっぱりしたホームページからは想像も出来ない熱い、熱意を持った担当さんが付いてくれたので良い意味で意表を付かれたエージェントさん。私の経歴にたまたま合ったのもあるのだろうが、非公開求人を積極的に紹介してくれた印象が強く残っている。紹介してくれる案件もウィットに富んだものが多く、他のエージェントさんとの差を付けるために様々な施策を組んでいて、熱意がこちらまで伝わってくる。実際に案件紹介をしてくれるプロジェクト担当さんは人によってトーンが違い、たまに妙にサバサバしてる人がいたりもするが、それを補ってあまりある採用活動のサポート力があった。